虐待被害の後遺症「怒りの感情」について

「私の経験は、とてもレアなのです!」

 

みなさん、そうおっしゃいます。

あなたの人生経験は

とてもレアでコアなものです。

 

間違いありません。

 

なぜなら、

「あなたの人生は、あなた以外に生きられないから」

「あなたと同じ経験ができる人はあなた以外この世にいないから」です。

 

 

複雑性PTSDのように

虐待などの被害経験による

影響を受けた思考パターンは

 

「個々の持つ個別性への柔軟な認知」が

障害を受けてしまいます。

 

障害というのは

不具合や困りごとということで

 

障害認定の状態

という意味ではありません。

 

あなたは、自分以外の人と

すべてが同じでなければ

ダメなのだ!と思い込んでいます。

 

よく面談の席で

語られる言葉に

 

「未熟」「未完成」

「スキルが乏しい」

「不完全」などがあります。

 

これは、世間一般の水準に

達していないことへの

恥や劣等感の意識から

生まれてくる言葉でしょう。

 

でも、考えてみてください。

 

その人の人生は

その人だけのものです。

 

ですから、基準など

本当は何もありません。

 

何歳までに結婚するか。

何歳までに就職するか。

何歳までに親になるか。

何歳までに家を持つか。

何歳までに学校を卒業するか。

 

そんなことは

すべて本人の都合で決めて良いのです。

 

 

あなたは、世間一般と

同じでない自分の部分を

徹底的に粗探しをする技術が

プロ級です。

 

ですから

自分と相手との相違点

間違い探しを

徹底的に行います。

 

そして、必ず

自分が劣っていると感じられる部分を

一生懸命に探し出します。

 

それは、劣っているのではなく

条件が整わなかったから

現在のあなたが実行していないだけの

事柄なのに

 

「できなきゃダメなんです!」

「どうせ、わかりっこないですよ!」と

怒ることしかできないと思います。

 

怒りというのは

人間の生存本能が作り出す

最も強い感情です。

 

 

なぜ、、虐待被害の後遺症で

怒りの感情が強化されるのか?

というと

 

感情というのは

生き延びるための行動をうながすための脳からの信号」です。

 

ですから、まず

コントロールは不可能ですし

コントロールしようとすると

より不具合が生じます。

 

そして、人間の脳は

虐待被害の後遺症として

 

現状に対処・対応をうながすための感情の中で

最も最速でアクションを起こしたくなる

「怒り」の感情を作り出しています。

 

「怒り」の感情は

自分の正当性や権利を

主張するために

気持ちを訴えたくなる感情です。

 

この感情を作ることで

脳は、自分の身の上に起きている

危険に対して

 

一刻も早く対処・対応するように

信号を送り出しているのです。

 

そしてあまりにも

この心理状態の反復が頻回になり

しかも対処困難だった場合(これが虐待です)は

感情自体が麻痺を起こし始めます。

 

感情鈍麻、感情麻痺と呼ばれる状態です。

 

 

そして、その怒りの感情は

「外側に向かう感情」と

「内側に向かう感情」とに分かれます。

 

外側に向かう感情とは

相手や他者、社会への攻撃です。

 

DVやパワハラ

無差別な殺傷や

ネット上での誹謗中傷行為などが

この典型的な例です。

 

この状態は

比較的に男性に多くみられる傾向があります。

 

一方、内側に向かう感情の場合は

自分への攻撃です。

 

自分を責める自責感や

自分を追い詰める思考や行為です。

 

具体的には

リストカット

摂食障害

アルコールや薬物への依存

誰とでも寝てしまう性的な逸脱行為や

依存的な目的での自罰的な恋愛などです。

 

これは、比較的に

女性に多くみられる状態です。

 

 

怒りの感情は

トラウマの影響を受けている場合は

生存本能が作り出しているので

コントロールは不可能です。

 

これは、脳の中の

扁桃体(へんとうたい)が

過剰興奮を起こしている

「過覚醒」と呼ばれるトラウマ反応が

大きく影響しています。

 

扁桃体が過剰興奮をしている状態を

世間ではHSPと誤って

表現していることが最近の傾向です。

 

そして、扁桃体が興奮している

過覚醒状態の時は

 

大脳皮質(前頭前野)の働きは

オフになっています。

 

扁桃体が興奮すると

思考をつかさどる大脳皮質は

ブレーカーが落ちてしまいます。

 

このため、いくら

アンガーマネジメントなど

思考に働きかけるセラピーで

怒りの感情をコントロールしようとしても

不可能なのです。

 

では、どうしたら良いのでしょうか?

 

怒りの感情を含め

感情というのは

自分以外の存在を意識した瞬間から始まります。

 

つまり、あなたは

自分が感情を作り出していると

思い込んでいますが

実際は違います。

 

あなたは、

「怒っている」のではなく

「怒らされている」のです。

 

感情は、何かの刺激を受けた結果

その刺激に対処するための

行動をうながすために生まれる

人間が持つ生存本能です。

 

ですから、怒りたくなったのなら

あなたは

「怒る必要があった」のです。

 

そして怒っても

何も環境が変化しないので

あなたは不完全燃焼のまま

怒りの感情を持て余しています。

 

その状態が

あなたが、イライラ、モヤモヤする!と

表現している状態です。

 

怒りについて知ること。

トラウマについて知ること。

 

 

あなたが楽になるためには

トラウマの知識を得ることが

第一歩です。

 

意識してみてくださいね。