子供が親の責任を追求したくなる理由

子供が親を責めたくなるのは

子供には出来事全体の文脈が

理解できないから。

 

そんなお話を

講演会や講座の場で

何度かさせていただいています。

 

これは、どういうことか?

というと

 

親が子供にとって

不都合な状態にあるのは

 

社会構造上の問題であることを

幼い子供には理解不能なため

 

子供は、もっとも身近な

親に対して

憤怒の感情を向ける以外に

対処する術を持たないから。

 

ということになります。

 

これまでは

当事者の方々に向けて

記事を書いてきましたが

 

そろそろ支援者として

活動をしておられる方々に向けて

書いていきたいと思ったりしています。

 

私ごときが

支援者の先輩方に向けて

記事を書くなどという

大それたことは考えていませんが

 

支援者してるけど

思いっきり当事者、という方が

世間の大半を締めているので

 

当事者から支援者へ

移行中の方々に向けて

書いていけると良いなと

思ったりしています。

 

 

ですので、当事者の方には

理解しにくい内容も

含まれると思いますが

どうぞ、ご容赦ください。

 

 

子供は、親から

叱られたり

怒鳴りつけられた瞬間から

出来事を受け取っています。

 

なぜ、親が

怒鳴ったり、情緒不安定なのか

その原因がわかりません。

 

このため、子供は

四六時中

情緒不安定な母親や父親に対して

憤怒の感情や恐怖心を抱きます。

 

そして、成長後 親に対して

「愛情がなかった!」と

ひたすら親を責めて

攻撃し続け、恨み続けます。

 

では、なぜ

親が常に情緒不安定だったのか?

 

それは、子供にはわかりません。

 

なぜ、わからないのか。

 

知らないからです。

 

子供には、大人の世界のことは

理解できないことが多過ぎます。

 

DVという概念を知るのは

相当、成長してからですし

 

ハラスメントという言葉の意味を

理解できるようになるのは

ある程度、人生経験を積んでからです。

 

下の表は、ある研究者が

人間の語彙力の調査をしたものですが

 

子供の語彙(ボキャブラリー)と

出来事への理解・把握は

ある程度、比例関係にあります。

 

全国大学国語教育学会国語科教育研究:大会研究発表要旨集 101 巻 (2001)p. 77-79
語彙力の発達 島村 直己 国立国語研究所日本語教育部門
 より引用

 

 

子供が大人の言葉には

その言葉の裏にも含まれた意味があると

理解できるようになるのは

概ね10歳以降からと言われています。

 

母親が

「アンタなんか産まなきゃ良かった!」と

怒鳴りつけた裏に

 

育児に対する夫からの

DVやハラスメントがあったなどの

裏の意味は、幼い子供には理解できません。

 

言われた通りの文字通りの意味として

その言葉を理解します。

 

なぜか?

子供だからです。

 

 

父親が、暴力やアルコールなどの

依存症だったために

 

機能不全家庭での

生きづらさを抱えて

成長した子供は

 

手っ取り早く

父親を憎み恨むでしょう。

 

父親に「お前のせいだ!」というのは

実に簡単で短絡的です。

 

そして、子供にとって

それは、紛れもない事実でもあります。

 

問題を理解するためには

「父親は、なぜ依存症になったのか?」

「なぜ、親は情緒不安定だったのか?」

に焦点を当てるべきです。

 

現在のコロナ禍において

情緒不安定にならない大人は

ごく稀でしょう。

 

大なり小なり

無防備ではいられない

緊張感の中で

毎日の生活を送っています。

 

この状況、そのものが

子供にとっては

すでに、虐待環境です。

 

虐待というのは

子供が大人から

ひどい仕打ちを受けることだけではなく

 

大人が不安定な情緒になるような

環境下で養育されることを意味します。

 

幼い子供だった、あなたは

親が、なぜ

情緒不安定だったのかわかりません。

 

「そういう奴だった!」

「性格や人格の問題!」

「性格破綻者だから!」

 

そう責めることで

納得する(腑に落とす)以外

理解不能なまま

何十年も生きてきた。

 

いまだに親を恨んで

責めている人も大勢ありますが

そこに居留まる限り

永遠に何も解決しません。

 

コロナウイルス相手に

訴訟を起こすのと同じくらい

「問題は、そこではないよね?」と

明らかなことです。

 

親をそこまで貶めた

社会の構造上の問題が

 

末端の立ち位置にいた

幼い子供だった、あなたを苦しめ

影響を与えていたことに

 

大人になったあなたは

そろそろ気付いても良い時期です。

 

親を恨む気持ちを

捨てる必要はありませんが

 

親を恨むことだけに

執着しているのなら

そこから先はないと思った方が良いでしょう。

 

過去に執着するよりも

自分の将来を大切にする方が

建設的だと思いますが

 

そのあたりは

個人の価値観の問題なので

強制はしません。

 

自分を大切にすることに目覚めると

だんだん、過去への執着が

薄らいでいきます。

 

不思議なことですが。

 

親を恨んでも何も問題は解決しません。

 

その親を作ったのは何か。

 

それに気付くことが

大切です。