複雑性PTSDと予約ドタキャン率*環境に左右されやすいクライエントの心理構造

 

医学博士の杉山登志郎氏は

著書の中で

複雑性PTSDの患者の

予約ドタキャン率について

その考えを述べられています。

 

博士の研究調査によると

複雑性PTSD患者の外来予約で

 

ある調査期間の来院数での

ドタキャンやドタカム(予約外来院)の割合は

220名中53名(24.1%)でした。

 

これは、標準的な精神科外来での

ドタキャン率である8.8%を

大きく上回っています。

 

単純に考えると

複雑性PTSDの患者は

 

4人に一人、または

4回に1回の割合で

ドタキャンしたり

ドタカムしたりするということ。

 

これは、家庭環境や日常生活の中で

自分の思い通りに予定を遂行できない

 

さまざまな複雑な事情に

翻弄されている(引っ掻き回されている)

クライエントの置かれた

日常の生活背景が垣間見られます。

 

と同時に、自分で自分の行動に

優先順位をつけることができない

クライエントの心理構造もうかがえます。

 

クライエントのアセスメントは

予約を入れてきた時点から

既にスタートしています。

 

 

どういうことか?というと

たとえば自分ではなく

 

家族や夫などに電話してもらって

予約をしてもらう方があったとしたら

 

「自分で電話予約ができない理由」についての

アセスメント(情報収集や初期評価)を

カウンセラーは行います。

 

アセスメント(評価)というのは

点数をつける、優劣をつける

という意味ではなく

 

何を提供するのが適切か?の

判断をすることをいいます。

 

 

 

また、電話の口調や息づかい

話している声のトーンや

背景から聞こえる音にも

カウンセラーは意識を向けます。

 

アセスメントは

その方がどのような背景をかかえて

悩み生きているのか?の情報収集や

 

その方が抱えている問題の同定

(問題を見つけていく作業)を

予約段階から始めています。

 

スムーズにメールのやり取りができない場合。

 

受け取った文章から

どのような印象やニュアンスを

受け取る方なのか?

 

どのような先入観や固定観念に

苦しめられている方なのか?

 

何に不安を抱えているのか?

何が怖いのか?

 

それを、注意して確認していきます。

 

 

カウンセリングの際は、

予約、来談時の入室の様子、

退出時の様子、表情、声の調子

服装や髪型(センスの問題ではなく乱れの有無)や

面談時の室内での視線の向きや外し方など

 

その方の居ずまいの空気感のすべてを

確認しながらお話をきいています。

 

 

 

複雑性PTSDのドタキャン率の高さは

ベテランの臨床家は、

皆知っていることなので

 

ドタキャンから受ける

支援者側のリクス回避

(予約施設代や運営費の損失防止)のために

料金は前払いにしているところや

 

ドタキャンの場合も

料金は請求するのが通例になっています。

 

それをせずに

好意と愛情とやる気だけで

運営しているカウンセリングルームは

廃業に追い込まれるところがほとんどです。

 

カウンセリングは

人生と向き合う大切な時間です。

 

 

 

自分のスケジュール管理への意識は

複雑性PTSDの人には通用しません。

 

自分で自分のスケジュールを

コントロールできない環境で

 

自分の感情を

コントロールしまくって

生き続けているので無理なのです。

 

私のカウンセリングでは、

そうした複雑性PTSDの

ドタキャン対策として

 

来所が難しい場合は

予約同時間内の

電話相談への当日変更も

受け付けています。

 

せっかく入れた予約です。

大切に有効に使っていただきたいと

思っています。

 

カウンセリングというのは

運営する側のリスクは膨大です。

 

 

カウンセリングに集中したいのに

予約のドタキャン対応などで

時間を割かれてしまうので

 

そうしたこと専門の

事務員さんでもお願いしないと

迷惑この上ないことも

多々あります。

 

 

意欲的な支援者ほど

バーンアウト(燃え尽き症候群)に

陥って廃業してしまいます。

 

これは、医療・介護の現場でも

共通の問題です。

 

 

カウンセリングに向き合う意欲は

そのまま回復に影響します。

 

「カウンセリングを続けた方が良いですか?」

 

そんなご質問を受けることは

とても多いです。

 

これは、カウンセリングへの

意欲評価としてアセスメントされます。

 

 

虫歯の治療を

続けた方がいいですか?

神経抜いたから、もういいですよね?

 

そう考える方は

あまりいないのではないかと思うのですが

 

なぜ、カウンセリングは

続けなくてもいいですよね?と

思うのでしょうか?

 

 

 

まあ、そうした経営とかお金の問題に

わずらわされることなく

カウンセリングを提供したいと思ったので

 

サロン経営をやめて

任意団体として活動することにしました。

 

やっと

本業に専念できそうで

ホッとしています。