日本人とアダルトチルドレンの関係*あなたの心に住み着いた「恥の意識」について

あなたが感じている

自分への恥の意識について。

もう一度、考えてみましょう。

 

あなたは

人と自分が違うと感じたときや

自分の至らなさや

不甲斐なさを感じたときに

 

「恥」を感じることはありませんか?

 

これは、トラウマ理解の中では

「恥辱感」といいます。

 

恥ずかしめを受けたような

侮辱されたような

なんともいえない

屈辱的な

いたたまれない気持ちのことです。

 

実は、この「恥」の意識は

日本独特の民族的な文化です。

 

日本語の「恥」がかかわる

ことわざを思い出してみてください。

 

「生き恥をさらす」

「恥のかき捨て」

「恥は家の病」

「据え膳食わぬは男の恥」

「恥を知れ!」

 

いろいろありますね。

 

日本人は古来から

「恥」を意識することで

コミュニティーを保ってきました。

 

親は、子供に対して徹底的に

「恥の意識」を

すり込み教育します。

 

「そんなことしたら、みんなに笑われちゃうよ」

「みっともない!やめなさい!」

「お母さんに、恥かかせないでよ!」

 

これは、一見すると

子供を罵っているように聞こえますが

実は、

子供が世間から爪弾きにならないための

古来からの処世術なのです。

 

日本人は、

「和をもって尊しとなす民族」です。

 

とてもコミュニティーを尊重します。

 

地域や居場所を守ることに必死。

 

それは、農耕や漁業など

集団で収穫する必要のある産業が

日本のベースを支えていたので

 

コミュニティーの皆が

歩調をあわせて

一緒に意気投合できる環境を

維持することを大切に守ってきました。

 

それができず

突飛な行動や考えをする人や

全体の流れにあわせられない人や

その人がいる家を

「村八分」にしました。

 

昔は、村八分にされることは

文字通り

「死」を意味していました。

 

村八分は野垂れ死。

 

そんな世間からの

はぐれものにならないように

 

親は子供に

「人と違うことは恥である」

「皆とあわせられない人間は恥ずかしい」

 

そんな価値観を植え込んでいきました。

 

これは、戦後の日本の

教育現場でも続きました。

 

問題に対する「正解」がある。

 

先生から質問されて、

その質問に

皆と同じ解答ができない人は

「不正解」。

 

皆の前で、

「不正解」

「ハズレ」

と「恥」をかかされるのです。

 

恥をかかされ

バカ呼ばわりされて

本来の尊厳を引きづり落とされる。

 

現在の学校生活なら

スクールカースト底辺に

追いやられてしまう。

 

皆と同じにできない人間は

次第に居場所を失い

からかいの対象になって

あらゆる権利を奪われていく。

 

それが、日本人という民族性です。

 

日本人は

常に人の目を気にして生きています。

 

自分が「恥ずかしい」状態に

なっていないかどうか。

自意識過剰になって生活しています。

 

その昔。

日本の精神医学の出発点は

「座敷牢」でした。

 

精神疾患の家族がいることを

「家の恥」として

終生、家の奥の座敷牢に

鍵をかけてクサリでつないで

他人に隠して暮らしていました。

 

今から100年ほど昔。

呉秀三は東京大学医学部精神科の教授を務め

当時の精神障害者の多くが座敷牢に幽閉されていた

「私宅監置」の実態を調査。

 

1918年に報告書

『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』

をまとめました。

 

呉秀三の言葉に

「我国十何万の精神病者は

実に此の病を受けたるの不幸の外(ほか)に

此の国に生れたるの不幸を重ぬるものと云ふべし」

というものがあります。

 

「病気になったのは不幸だが

日本人として生まれたことこそ

不幸である。」というものです。

 

 

日本は「心を病むこと」を

恥じる国です。

 

このため、ケアや支援の土壌が

なかなか育ちません。

 

そして、複雑性PTSDの

特徴的な症状に

「自分への恥辱感」

「言い知れない恥の意識」

「セルフスティグマ」があります。

 

環境からの支配を受け続け

しいたげられ続けているうちに

「自分は恥ずかしい存在である」という

誤った自己認知が育ってしまいます。

 

これが、あなたが聞き覚えのある

「劣等感」

「自己肯定感が低い」

「自尊心の欠如」

「自分がない」

こうした感覚を作っています。

 

日本は、基本的に

複雑性PTSDになりやすい土壌です。

 

そして、複雑性PTSDに対して

とても無理解で冷たい国です。

 

ちなみに、諸外国の人はどうか?

というと

 

国にもよりますが

彼らは「恥」ではなく

「罪」を意識するといわれています。

 

日本人は

「人に笑われるよ」という

人を意識した「恥」で

自分を戒める一方で

 

欧米などでは

「神様が見ているよ」

「天罰が下るよ」と意識して

自分をいましめるようです。

 

これは、民族的な

宗教観や生活土壌

産業や歴史が

複雑に影響した価値観です。

 

人間の心を考えるためには

その土地の文化や歴史など

フィールドワークが欠かせません。

 

これが、社会全体を構成しています。

 

そして、その社会が生み出すのが

人間の生活。

 

その生活の中で生まれるのが

人の気持ちです。

 

精神分析で有名なフロイトが

被験対象にしていた女性達

(ヒステリー研究の対象)は

 

当時、彼女達の夫

(上流階級の男性)は

 

妻以外の女性と関係を持つことは

当然のステータスとされていた

時代背景だったため

 

この頃の女性達は

夫の不貞に苦しんでいた

その状態をヒステリー検体として

扱ったのですから

 

今、冷静に考えると

「?」という部分も

なくもないのです。

 

ちょっと寄り道しましたが

「日本人の恥の意識」は

「日本人の民族性」です。

 

その中で複雑性PTSDで

苦しんでいるあなたは

 

諸外国の複雑性PTSDの人たちより

もしかしたら、ずっと

苦労をしているのかもしれません。

 

複雑性PTSDになるような

家庭環境を作ったのは親ですが

 

その親を作ったのは

日本という土壌です。

 

日本の歴史が

今のあなたの苦しみの土台を

作っていたのかもしれません。

 

アダルトチルドレンは

日本史と郷土史の理解が必要。

 

今日は、そんなお話でした。