あなたがいくら考えてもトラウマが治らない理由*トップダウンとボトムアップについて

あなたは、何年くらい

自分の中の苦しさと

戦い続けていますか?

どのくらいの時間をかけて

心の回復について

考えてきましたか?

 

「考えるゆえに我あり」

この言葉を残したのは

フランスの哲学者デカルトです。

 

人間は、なんでも

考えれば解決できると

思い込んでいます。

 

それが、そもそもの間違い。

 

あなたは、日常生活の中で

困ったことや

問題にぶつかったときに

 

「何とかしよう!」と考えて

解決してきたと思います。

 

頭で考えて解決(回復)に

向かうことを

トップダウン」といいます。

 

たとえば、

緊張しているときに

ドキドキして苦しいときは

どうしたらいいだろう?と考えて

 

「深呼吸をしてみよう!」という

解決方法を思い付いて

深呼吸をしたら

ちょっと楽になった。

 

やれやれ、助かった。

 

この流れを「トップダウン」といいます。

 

トップダウンというのは

考えて得た答えで

心身の状態を調整することです。

 

この習慣の繰り返しの中で

人間は、自分のバランスを

調整しながら生きてきました。

 

そして、あなたは日常生活の中で

家族との問題や

対人関係など

人との関わりの中で

 

困ったことが起きたときに

まず最初に

「どうしたらいいだろう?」と

解決策を考えると思います。

 

そして、あれこれと

試してみるけど

いっこうに気持ちは楽にならないし

状態も変わらない。

 

相手が変わってくれる訳でもないし

自分の状態も悪くなる一方。

 

「いったい、どうしたらいいのだろう?」と

途方にくれたあと

 

あなたがすることは

ネット検索をしたり

セミナーや講座を探したり。

 

で、そんなことをしているうちに

疲れてしまって

「ああ、もう無理!」

「早く死にたい!」

そんな気持ちの繰り返しが始まる。

 

イライラする。

モヤモヤする。

腹立たしい。

絶望感でおかしくなりそう。

 

「なんで、こんなにつらいのよ!」

 

その理由がわからない。

考えても考えても

いくら情報を調べても

全然、答えが見つからない。

 

これ、なぜだか

知っていますか?

 

答えは

「考えているから」です。

 

 

あなたを苦しめているのは

複雑性PTSDというトラウマです。

 

このトラウマのことを

あなたは

アダルトチルドレンと呼んだり

発達障害と呼んだり

HSPと呼んだりしています。

 

自分の状態を表現する呼び方は

好きな呼び方を使っていて良いのですが

問題は、

「トラウマって何?」ということを

知らずに生きていることです。

 

ハッキリ言っておきますね。

 

トラウマは、考えても治りません

 

なぜなら、

トラウマ症状というのは

人間の身体が行なっている

刺激に対する反応(反射)だから」です。

 

あなたは、とても大きな誤解をしています。

 

あなたは、

問題に向き合っている時の自分に対して

 

「こんな状態の自分は、絶対におかしい!」

「私はどこか狂っているんじゃないの?」

「この状態を治さなくちゃ!」

 

そう思っていませんか?

 

それが、そもそもの間違い。

 

あなたは、

その状態を持つことができたからこそ

今日まで生き延びることができた

サバイバーなのです。

 

意味がわからないと思うので

ご説明しますね。

 

あなたが「自分がおかしい!」と感じる

人との関わりの中での

違和感や居心地の悪さは

 

すべて生存本能が生み出している

「あなたを守るための戦略」なのです。

 

たとえば、あなたが母親から

聞きたくない話を聞かされて

イライラ、モヤモヤしたときに

 

「いい加減にしてよ!」と怒鳴り付けずに

凍りついたように何もせず

何も言わずに、ただそこにいるとき。

 

これは、何がおきているのか?というと

生存本能が

シャットダウン」という戦略を

取っているのです。

 

これを、他の人が見ると

「イヤなら自分の部屋に逃げたらいいじゃない?」と

何もしないあなたを不思議がるでしょう。

 

虐待やDV被害者に対して

「なぜ、逃げなかったのか?」

「なぜ、反撃しなかったのか?」

と、被害者を責めるパターンです。

 

(最近、虐待事件の判決にもあった

トラウマ反応への無知ですね)

 

 

これまでの脳科学では

人間はストレス場面になると

自律神経の交感神経が興奮して

「闘争か逃走か」の二択をするとだけ

考えられてきました。

 

ストレスの原因と

戦うか、逃げるかということです。

 

戦うか逃げるかを選べる状況というのは

自分の中で

「それをしても大丈夫だ!」という

安心を信じられるときだけに限られます。

 

一方でトラウマの場合は

そもそものストレスの原因が違います。

 

トラウマが生まれる最も大きな原因は

自分の力ではどうしようもない状況」を

経験させられることです。

 

子供が小さいとき

どんなにがんばったところで

親が変わる訳ではないですし

 

両親の夫婦げんかが

なくなる訳でもないですし

 

虐待が消える訳でもありません。

 

人間は、

「自分ではどうしようもない状況」に

陥ったときは

 

闘争か逃走か?の

交感神経の二択ではなく

シャットダウンという方法を取ります。

 

あなたが、思い出しやすい

シャットダウンの例は

 

無理だ!という感覚が

極限状態のときを思い出してください。

 

「気絶」

「失神」

という状態を思い出しませんか?

 

人間のシャットダウン方法は

気絶や失神だけではありません。

 

「解離」や「引きこもり」も

シャットダウン状態です。

 

では、どうしてトラウマを持つ人間は

ストレス場面で闘争・逃走を選ばずに

シャットダウンを選ぶのでしょうか?

 

 

あなたは、子供の頃

「小児性●●」という病名の

持病はありませんでしたか?

 

トラウマを持つ子供が

かかりやすい病気は

 

心臓や血管に関する循環器系の病気

胃腸に関する消化器系の病気

アレルギーや免疫不全の病気

関節の痛みや頭痛などの慢性疼痛

呼吸器に関する病気などがあります。

 

そして、この病気の原因は

病院で「原因不明」と

診断されていませんでしたか?

 

これらの病気は全部

ストレスが原因で

自律神経がダメージを受けたて起きた病気です。

 

自律神経は人間の血流(心拍)を

環境にあわせて調整しています。

 

ストレスが多い環境で育つと

そのたびに自律神経が刺激されて

環境にあわせるために

心拍数を調整します。

 

ストレスにあうと

動悸や息切れがするのは

このためです。

 

複雑性PTSDというトラウマ

あなたがアダルトチルドレンと

呼んでいるトラウマが生まれる環境というのは

 

この自律神経が

ストレスによって

刺激されっぱなしの状態なので

 

次第に

自律神経が機能不全になります。

 

自律神経がヘタレてしまうのです。

 

この状態が、ずっと続いたら

どうなると思いますか?

 

死んでしまいますよね?

 

このため、人間は何をするか?というと

刺激を受け取らないように

情報を「シャットダウン」して

身を守るのです。

 

この「シャットダウン」と

それが引き起こした

感情や感覚を感じているとき

 

あなたは、不快感や

体調不良を感じています。

 

そして、こうした状況に

対処できないのは

自分に問題があるからだ!と

自分のことを責め続けています。

 

でも、それは不具合などではなく

生存本能が起こしている

あなたの命を守るための

生き残り戦術なのです。

 

あなたの身体は

あなたの命をストレスから守るために

とても健康的な正常な反応を繰り返して

あなたを守り続けていたのです。

 

それができなかった身体は

心筋梗塞や脳梗塞などの心疾患など

 

自律神経が生命維持を

コントロールしきれず

死んでしまっていたでしょう。

 

あなたの身体は

必死にあなたの命を

環境からのストレスから

守ってくれていました。

 

とても正常な反応(生体反射)だったのです。

 

その状態を

あなたは「異常だ!」と誤解して

自分のことを責め続けています。

 

トラウマが原因の

ストレス反応は

あなたの心身が正常だからこそ

起きている生存本能由来の自然な反応です。

 

では、この状態は

どうしたら

改善することができるのでしょうか?

 

 

頭で考えて

答えを導き出して

回復に向かうことを

「トップダウン」といいましたね?

 

これは、具体的には

認知行動療法や

暴露療法(エクスポージャー法)

SST(ソーシャルスキルトレーニング)など

 

ものごとの受け取りかたや

考え方についての

認知を再構成して

バランスが取れた考え方にして

 

考えることで

「心身のストレスを軽減していこう!」

というのが

トップダウン方式の心理療法です。

 

が、残念ながら

トラウマが原因のストレス反応は

生存本能が引き起こしている

生体反応なので

 

いきなり「トップダウン方式」を

行なっても

ただ苦しくて混乱するだけです。

 

ストレス環境に適応するために

自分をコントロールし続けている状態に

さらにコントロールをかけてしまうのが

「トップダウン方式」なので

 

考えれば考えるほど

あなたは、つらくなるし苦しむし

自分への無力感に絶望してしまいます。

 

では、どうしたらいいのか?というのが

ボトムアップ方式」です。

 

これは、人間の神経経路の中の

迷走神経系」と呼ばれる部分に

アクセスするアプローチ法になります。

 

迷走神経は、人間のトラウマへの

生体反応を制御している神経系です。

 

これは、身体と脳幹をつないで

あなたの命を守っている器官です。

 

ここにアプローチをかけなければ

あなたのトラウマは改善しません。

 

具体的に何をするのか?というと

感覚」を改善して

 

「回復に向けての心理的安全経験」を

繰り返します。

 

よく誤解されやすいのは

「感じることですね!」と

 

「感じるってステキ!」みたいな

メルヘンなことを

意識されてしまう方があるのですが

 

そういうことではありませんので

お気をつけくださいね^^;

 

メルヘンなお花畑な

「感じる!」ではなくて

 

感覚(インスピレーション)とか

感覚(霊的なこと)とかでもなくて

 

生存本能に関わる

生体反応への感覚の修正になります。

 

といっても

触ったりする接触感覚でもないので

痛い!とか

こわい!ということでもありません。

 

 

では、何?というと

「安全経験の反復学習」です。

 

 

1月からスタートする

グループカウンセリングの場で

実際に経験していただければと思います。

 

 

1・2・3月グループカウンセリング

https://resast.jp/page/event_series/48665/dummycode

 

 

 

トラウマからの回復に必要なことは

トップダウンとボトムアップ。

 

その順序は、ボトムアップが先。

考えること優先のトップダウンは後です。

 

順序を間違えると

混乱と苦しみが増してしまいます。

 

トラウマは、

ただ考えていても

治りません!

 

それを覚えておいてくださいね。